2010/11/23

UTAU

一緒に仕事しているN君が昼食中に
「坂本龍一がtwitterでSさんと同じこと言ってましたよ」
と話しかけてきた。
「そうだね、坂本さんくらいになると有名人になっても好きに発言できるからね。
普通の芸能人とかだったら、仕事干されちゃうからね」
「ところで、今日、その坂本龍一さんのコンサートいけちゃうかもなんだ」
「なんで!なんですか、僕じゃないんですかぁ」

最近は坂本さんに呼ばれているみたいだ。
先日も、自宅でサイトつくりをしている最中に、北米ツアーのUSTを使ったライブ
のニュースをキャッチ(Twitterじゃなくて、何だか忘れた)
USTのチャネルを見たときにはばっちり、「戦メリ」が始まるときで、なんだか感動。

というわけで、昨日11月22日午後7時には人見記念講堂にいた。
かみさんも店が休みなんで同席。もし、自分ひとりでいったら一生文句言われるに
違いない。。。(笑)

大貫妙子の歌と坂本龍一のピアノという、本当のミニマム構成。
しかし、これほど絶妙なコンビってあるんだろうか。

坂本龍一の楽曲とその演奏は、繊細だがくっきりとした輪郭を持っている。
それは、もちろん世紀を超える芸術として成り立っている。しかし、そこに大貫妙子
の透明でたゆたうような声が絡んでいくとき、幻想的な世界が繰り広げられていく。

目をつぶると、その幻想的な世界に引き込まれていく。そして、最初はなつかしい自分
の記憶を呼び起こしていくのだが、音楽はそこには止まらせない。
もっと気の遠くなるような幻想の世界に連れていかれる感じなのだ。
ふと我に帰ると、ステージに二人の姿が見える。



UTAU ツアーは今月始まったばかり。同時に共作としては13年ぶりというALBUM 「UTAU」
リリースされた。
「UTAU」のために書き下ろされた「 a life 」(エーライフ)という作品の詩のみをご紹介しよう。

a life

作詞:大貫妙子 作曲:坂本龍一

汗を流そう
ごはんを食べよう
ぐっすり眠ろう
つま先まで

無邪気に笑おう
たくさん泣こう
見たら助けよう
手をのばして

悲しいことばかり
伝えてくるNEWS
心の力で
飛び越えよう

ふられた恋も
つまづく日々も
まっすぐ見よう
胸をはって

そして出会おう
素適な人と
言葉をつかもう
生きた声を

身体を流れる
温かい記憶を
あなたのすべてを
抱きしめるの

無くしたくないと
思うものだけを
守っていこう
守っていこう

あなたのつぶやき
わたしのつぶやき
みんなのつぶやき
世界のつぶやき


余韻が残る小雨の返り道。
込み合う電車を避けるために三軒茶屋の駅近くのレストランでかみさんと食事。
なんとか満員になる前に入れたみたい。一番奥のカウンター席につく。
「。。。」なんだかやさしいおじさんの声に振り返る。
「あっ」と声には出さず。
箸の袋にボールペンで
「毛利さん」と書いてかみさんに見せる。
元宇宙飛行士の毛利衛さんと奥さんが僕たちの背後の席につかれていた。

店の人と話をしているのを聞くと、どうやら僕らと同じく、コンサートの帰り
のようだった。同じ音楽を共有して、そのあとのお食事もご一緒してしまった
わけだ。

さて、これを書いている今、相模大野でのコンサートの模様がUSTで流されている。
twitterによると、今日のUSTは坂本さん一人でやっていらして、脇で古川亮さんが
お守りしているとか。