2011/06/27

A Dream Bird Sitting on Eggs

カナダでアート・セラピーを行っている元学友のEikoが僕にプレゼントしてくれた絵。

3年前に妻がmixiで偶然に知り合ったことをきっかけに再会した。学生時代には、あまり口を聞くこともなかったのだが、やはり私たちは同類であるが故に、すばらしく個性の強い大学で出会ったのだと思える。
学生時代には、話してくれることもなかった彼女の生い立ちなども、カナダに遊びにいったときに聞かされた。
全く同じではないが、自分も似たような境遇であったかもしれない。


彼女は、自分の心と向き合い、とっくの昔に自分の道を歩むことを決めた。

自分は、これまでなんとか社会に合わせながら「普通」の道を選び、できれば自分を見失うことがないようにしてきた。
だが、50歳を過ぎ、そして日本という国の「当たり前」が壊れつつある今、なんだかとっても、妥協を自分に許してきた人生を続けることが勿体なく思えてきた。

啐啄同時」(啐啄同機)という禅の言葉がある。
Eikoの絵を見たときに、すぐにそれであることがわかった。
もちろん、自分の心の中に「啐啄同時」のタイミングとはいつなのかが、ずっと気になっていたからに他ならない。そして、Eikoがその絵を見せてくれたとき、それはもう今なのだと思った。

親鳥は雛が生まれ来る時を知っている。
では、雛はどうなのか。おそらくは、意識が覚醒し、自分を包む固い殻が窮屈になるのだろう。
それまで、自分を守っていた殻、そして、その外からは温かみが感じられる空間。
それが、ある日を境に自分にとっての不自由であると感じる。
どうしたらこの外に出れるのか。殻の中で蠢く日々。たぶん、その蠢きを親鳥は感じるのだろう。
そして、ある日、自分を保護していた「殻」を自らの嘴で「啐く」。
雛鳥には、その選択肢しかないのだ。

もし、親鳥がそこにいなければ、力尽きてしまうだろう。
あるいは、そこにいるのが、親鳥だけでなく、親鳥を襲おうとする猛禽や、蛇などであったどうするか。
しかし、雛鳥には、殻を破ろうとすることしかできない。
そのときは親鳥が外からそれを手助けするはず。それを信じるしかない。
そして自分が「飛ぶ生き物」、鳥として生まれたということを受け入れるしかない。
自分を覆っていた固い殻は鳥であることの証なのだと。


A Dream Bird Sitting on Eggs


The dream bird lays her eggs.
They all contain various potentials.
However, the baby birds will come into the world when the time is ripe.

The dream bird knows the moment
when to peck the egg shell open.
Until then, the potentials are incubating,
developing into maturity.
Then new dreams will come true
The moment the baby birds are born.

by Eiko