2013/07/10

三宅洋平 ---ボブ・マリーを超えて--- (1) Redemption song

この参院選に全国比例代表として緑の党から立候補したミュージシャン、三宅洋平。
今や、皆それぞれが検索して情報を得たり動画を見たりすれば、彼が何を思い何を目指しているかはわかるだろう。
何よりも彼自身の言葉、音楽を聞くこと、解説は不要だ。そこで夫々が感じることより他に大事なことはないと思う。

だが、敢えてここに「ボブ・マーリーを超えて」という副題を添えたのは、彼自身が発した言葉と音楽を頼りに私自身が感じていることを共有したいからだ。
ボブ・マーリーの歌と世界観に共感しつつも、終ぞそれが単なる憧れとなってしまった我らの世代にとって、それを「超える」ということ、それはその先の世界観を現実化していくということだ。
既に三宅洋平はボブ・マリーを超えた。私はそう感じ、そう信じている。
一人の男として、そしてミュージシャンとしても。
そしてさらに今、私たちにも「一歩を踏み出そうぜ」と、三宅洋平は言っている。



「魂の奴隷を解放しろ!!」

2012年12月15日 山本太郎 高円寺駅前街頭演説にて

始めて三宅洋平の名を知ったのは昨年12月の衆議院選挙、杉並区から立候補した山本太郎の高円寺での演説のときだった。
私は杉並区民ではないが、どうしても山本太郎には当選して欲しかった。
友人の多くも山本太郎を支えていた。市民が支える選挙活動、それはまさにこのときに始まったのだった。
高円寺駅前のステージで歌う三宅洋平は山本太郎とともに人々の心を捉えていた。今までに見た事もない選挙の姿。
山本太郎は「本当のこと」を生の声で伝えようと必死だった。
三宅洋平は応援という形であったが、明らかにそれを超えて自分の今の心情を歌に込めて伝えようとしていた。そして、このとき三宅洋平はぼそっと言った。
「来年の参議院選挙には俺もでようと思っているし、、、」
このとき、すでに三宅洋平は相当のビジョンと決意を持っていたということは後に知った。だが、私にとっては始めて知るようなミュージシャンがそれを本気で言っていると理解することはできなかった。
そして、静かにギターを引き始め、一曲軽く弾き語らせてもらいます、と歌い始めたのが、ボブ・マーリーの曲、"Redemption song" (自由の歌)だった。
恐らく、20年以上は聞いていなかったこの曲。懐かしさと共に、今、この若いミュージシャンが歌うということに、この曲自身が持つ力強さや不滅性を感じた。
次第に歌に熱がこもりはじめ、サビを自分の言葉に置換えて語り歌う、その言葉に思いっきり頭を殴られた。

Have no fear for atomic energy
(俺たちは原子力なんか恐れねぇし、原子力ヤクザだって恐れねぇよ)
Cause none of them can stop the time
(やつらにだって時代は止められやしないよ)

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Redemption song

Songs and lyrics by Bob Marley 
( )内は三宅洋平が歌った言葉
Old pirates yes they rob I
Sold I to the merchant ships
Minutes after they took I
From the bottomless pit
But my hand was made strong
By the hand of the almighty
We forward in this generation
Triumphantly
All I ever had, is songs of freedom
Won't you help to sing, these songs of freedom
Cause all I ever had, redemption songs
Redemption songs

Emancipate yourselves from mental slavery
None but ourselves can free our minds
Have no fear for atomic energy
Cause none of them can stop the time
How long shall they kill our prophets
While we stand aside and look
Some say it's just a part of

We've got to fulfill the book

Won't you help to sing, these songs of freedom
Cause all I ever had, redemption songs
Redemption songs, redemption songs

Emancipate yourselves from mental slavery
None but oursekves can free our minds
(心の奴隷制度から自分を解放できるのは自分の心だけだぜ)
Have no fear for atomic energy
(俺たちは原子力なんか恐れねぇし、原子力ヤクザだって恐れねぇよ)
Cause none of them can stop the time
(やつらにだって時代は止められやしないよ)
How long shall they kill our prophets
(一体やつらは何時まで俺たちの仲間を殺し続けるんだい)
While we stand aside and look
(俺たちが対岸に突っ立って指咥えて黙って見ている間にさ)
Yes some say it's just a part of it
(そんなのただのちょっとした一部の話じゃないって、冗談じゃない)
We've got to fulfill the book
(歴史の本の残りはね、俺たちが埋めていくんだよ!)

Won't you help to sing,
(一緒に歌ってくれないか?手伝ってくれないか?)
these songs of freedom
Cause all I ever had, redemption songs
All I ever had, redemption songs
These songs of freedom,
(いまここで、自由の歌、自由の歌)
songs of freedom...

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だがそれは、今となってはほんの序章に過ぎなかったのだ。

山本太郎は大健闘したが、議員となるまでの票数を得ることはできなかった。それどころか、この衆議院選では投票率が落ち、脱原発勢力の票の多くは死に票となった。日本の民主主義のむごたらしい敗北。多くの人たちがこの状況について落胆し、その後の政治状況の厳しさを覚悟せざるを得ない状況となってしまった。
だが、山本太郎も三宅洋平も、そんなところで止まっているような男ではもちろんなかった。

私の頭の中では、三宅洋平が歌ってくれた、この"Redemption song"が何度となく繰り返されるようになっていた。

Old pirates yes they rob I
Sold I to the merchant ships
Minutes after they took I
From the bottomless pit
But my hand was made strong
By the hand of the almighty
We forward in this generation
Triumphantly

昔、海賊どもが、俺を連れ去り、商船に売っぱらった。
そして、底なしの絶望の穴にいた俺をやつらは捕らえた。
でも俺の手は全能者によって頑丈につくられていたのだ。
俺たちはこのことを誇らしく世代に伝えていくさ。。。


続く

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